【9秒台無理って誰が決めた?】陸上の桐生祥秀選手に学ぶLimiting belief (偏った見方)克服のヒント
アメリカのトップコーチングスクールの1つであるiPECから唯一認定されている日本人男性コーチの水元です。心の筋トレとも言えるコーチングを起業家・個人事業主・外資系企業勤務・スポーツ選手・アーティストなどを対象に行っております。
目標達成を阻もうとする4つのメンタルブロック
以前Xで以下の投稿をしました。
メンタルブロックは英語学習のみならず、何かに挑戦する過程に必ずと言っていいほど出現します。その存在を自覚し、対応の仕方を理解しているとき、メンタルブロックはもはや恐怖ではなくなります。iPEC流に言うと、メンタルブロックには4種類あります。すなわち、
- Limiting Belief (偏った見方)
- Interpretation (歪んだ解釈)
- Assumption (想定)
- Gremlin (グレムリン)
の4つです。このうち、今回はLimiting Beliefに焦点を当て、その克服のヒントを陸上の桐生選手のご実績から探ってみたいと思います。
Limiting Belief=必ずしも真実ではない常識
Limiting beliefとは、真実ではない常識とも言えます。つまり、必ずしもそうとは限らないのに真実のように扱われている事柄です。
具体例を出すと、「日本人が100mを9秒台で走るのは不可能だ。」がそれに当てはまります。
「そんなことないだろう。すでに桐生選手を初め、何人かの選手が達成しているじゃないか。」と思われた方もいるでしょう。まさにその通り。今となってはもはやそれは真実ではありません。
しかし桐生選手が2017年9月9日13時30分過ぎにそれを9秒98という記録でそれを達成するまで、「日本人が100mを9秒台で走るのは不可能だ。」と信じ込んでいた人もいたのではないでしょうか。それまでの日本人記録は1998年に伊東浩司さんが記録した10秒00ですから、その瞬間が訪れるまで実に19年の月日が流れました。しかし誰がその記録を無理と決めつけたとしても、桐生選手自身は9秒台が出せることを信じて疑っていなかったように映ります。「「出る時は出ます」日本人未踏の100m9秒台を目指して。」のインタビューの中で桐生選手は以下のように答えています。
日本の陸上界を盛り上げるためにも9秒台を出さないといけないと思っています。注目されている中で出したいと思いますし、出るときは出ると思っています。練習では9秒台も出ていますし、個人的には大会でもそろそろ出るかなと思っています。ただ、そこまで9秒台に対して強い思いはなく、大きな目標としては世界大会でファイナリストになりたいと思っています。
興味深いのは、その記録がご自身のためというよりも、日本の陸上界を盛り上げるために出したいものと答えられている点。また、その9秒台という記録自体に強いこだわりはなく、むしろ世界レベルの実力を付けること自体を追い求めている点です。これはResult driven (結果主義)ではなく、Mastery Orientation (プロセスの一瞬一瞬を大切にする)の目標の立て方の好事例ですが、この詳細は別のブログに譲ります。
さて、桐生選手の日本人記録(9秒98)が破られるまで、どれほどの年月を要したかご存知でしょうか。
答えは、約1年9か月です。サニブラウン選手が9秒97というタイムをマークしたのでした。さらにそのちょうど約2年後に今後は山縣選手が9秒95という新記録を叩き出します。さらに9秒98をマークした小池選手も含め、2017年以降4人の日本人選手が4年の間に100m 9秒台を達成したのです。「きっとあの選手が達成できたのだから自分もきっとできるはずだ」と互いに良い刺激を与えあったのではないでしょうか。
Limiting Belief克服のヒント
これがまさにLimiting belief克服の瞬間です。「皆が無理なら自分も無理だ」ではなく、「誰が無理と言おうと自分を信じる。」「誰一人これまで達成していないのであれば自分がその最初の人となる。」無意識レベルでもそう信じられるとき、それが大きな原動力となり、成果につながるのです。
あなたご自身が叶えたい目標についてはいかがでしょうか。半ば諦めかけていたり、達成できないんじゃないかと挫折しかけていたりしませんか。そんなふうに思ったら、ぜひ次のように自問自答してみてください。「無理だと決めているのは誰なんだ?」と。それがあなた自身なのであれば、そこが分かれ道です。白旗を上げるのか、むしろさらに決意を固めるのか。思い出してください。「常識=真実とは限らない」のです。
Limiting Beliefの克服が難しければコーチに相談してみよう
それでもLimiting Beliefの克服が難しければメンタルトレーナーであるコーチに相談してみるのも手です。ベンチプレスをする際にトレーナーが鼓舞しながら支えてくれるように、コーチングもまた、コーチがあなたの心の筋トレを支援します。メンタルは鍛えられるのです。特にICFの国際資格を持つコーチに相談することをおすすめします。一人じゃ心が折れそうなことも、伴走する強い味方がいれば叶えられる可能性が高まります。
興味ある方はぜひお気軽にこちらより無料のコーチングセッション(60分)をお申込みください。
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