【自分が我慢すればいい?】 人が良すぎる管理職に起こりがちなバーンアウトとその対策のヒント
会社で働いていれば、自分の意見のみを通そうとすると軋轢が生まれる恐れがあるため、出るとこは出つつも、引っ込むところは引っ込みながらバランスを取るものです。管理職であればなおさら、会社全体の方針を理解しつつ、自分の信念もベースとしながら、チームメンバーの意見を聞きつつ、チームビルディングに励まれていることでしょう。今日お伝えしたいのは、管理職の方が自らのことを顧みず、他人(上司やチームメンバー)を常に優先したい際に起こりがちなバーンアウト (燃え尽き症候群)とその対策のヒントです。
「人のために尽くしたい」というエナジー=レベル4エナジー
- 人を助けたい。
- 人の手助けをしたい。
- 自分が誰かの力になれたら嬉しい。
- 自分がサポートすることで、
- 誰かが目標達成できたら充実感で満たされる。
こうした「人のために」尽くしたいというエナジーは大小異なれど誰もが持つものです。
私が卒業したアメリカのトップコーチングスクールiPECが提唱する7つのレベルのエナジーに基づくとこうした気持ちや行動はレベル4のエナジーの現れです。このエナジーが働きやすい人は頼りになるため、相談を持ち掛けられたりすることが多いはずです。ちなみにどのレベルのエナジーも良い・悪いはなく、どれもが平等に大切なエナジーとなります。
チームメンバーの成長を願って仕事をする上司の方は立派です。しかしながら、自分を顧みずに、他人を優先しすぎてしまう場合、燃え尽きてしまうリスクがあります。一度心がむしばまれてしまうと、十分に心がリフレッシュをするまで長い時間を要するということも起こり得ます。
それを避けるために紹介したい発想がwin-winです。つまり、ご自身も部下(あるいは上司)も一緒に難局を乗り越える、成長する、健やかな日々を送るという考え方です。
例えば、仕事をたくさん抱える部下がいっぱいいっぱいになっているのを見て、ご自身もたくさんの仕事を抱えている中、その一部を引き取るのはレベル4の行動と言えるでしょう。自分が苦しくなっても部下のことや会社を助けたいという思いから来ているはずです。それによりかかる負荷が一時的なもので済むのであればさほど問題視する必要もありませんが、それが慢性的に続くとなると話は変わります。
ではwin-winを目指すにはどういったマインドセットを持ち合わせるとよいでしょうか。ちなみにこれはレベル5エナジーの考え方です。次の同じような仕事に活かせるように、部下と一緒に取り組むということが考えられるかもしれません。この場合、そのタスクはただの重荷ではなく、成長のチャンスと捉えられます。(何事も成長の機会と捉えるのがレベル5エナジーの特徴でもあります。)
または、他のチームの比較的手が空いている人やベンダーさんに頼める仕事をお願いするといったこともあるでしょう。または、こうして大変な状況が続くのは何か根本的な原因があると踏み、部門や会社全体に声を上げてみるといったこともあるかもしれません。もし同じような悩みを持つチームが他にもいれば、それを解決すること=会社全体のベネフィットを言えるからです。
大切なことはあらゆる選択肢に目を向けられる自分であることです。他の選択肢しか知らなければ、時に自分を追い込んでしまったり擦り減らしてしまったりすることになるからです。そうなるとレベル1エナジー(「なぜ自分ばかり・・・」「なんて自分は無能なんだ・・・」)と自分を卑下したり、やレベル2(「あいつのせいで自分ばかり忙しくなる・・・」「もっと能力の高い部下がいれば・・・」と怒りを覚えるようなカタボリックエナジーに支配されてしまう恐れがあります。
自分で解決するのが難しければコーチに相談するのも選択肢
バーンアウトを避けるための対策となる考え方や行動の取り方を紹介しました。上記に挙げたものは一例に過ぎず、バーンアウトの原因となる事象も、その解決策も、個々人で異なります。もしも類似の悩みで心が折れそうな場合は、ぜひ参考にしていただければ幸いですが、お一人で解決するのが難しい場合には、プロのビジネスコーチに相談してみるのも選択肢の一つです。コーチは何かを一方的に教えたりするのではなく、あなたの状況や気持ちを傾聴しつつ、トレーニングに基づて身に着けた質問を投げかけることで、あなたの中から答えがでることをサポートします。その中で出てきたひらめきや新たな視点はあなたにとって最も納得感のあるものと言えるでしょう。なぜなら繰り返しになりますが、それはあなた自身の中から出たものだからです。(国際基準のコーチングを提供できる、ICF認定コーチをおすすめします。)ちなみにアメリカではコーチングがエグゼクティブ層に求められるスキルの一つに数えられていることも珍しくありません。
また、もしご自身の7つのレベルのエナジーの分量を知ることに興味があれば、唯一の方法であるELIアセスメントの受験を検討ください。Forbesがエグゼクティブが受けるべきアセスメントの一つとして取り上げています。私が唯一iPEC卒業生としてそれを提供できる日本人男性となります(2024年1月現在)。詳しくはこちらをご覧ください。
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