【怒り=ネガティブなものじゃない!?】部下にイラっとしたら考えたい怒りが持つ意味
管理職になっていわゆる部下ができると、1プレーヤーとして働いていたときとは違うプレッシャーや苦労があることでしょう。特に部下との人間関係は一筋縄ではいかず、ときにイライラしたり怒りがこみ上げてきたりすることもあるのではないでしょうか。今回はそんな「怒り」との接し方についてプロコーチ(ICF認定コーチ&iPEC認定唯一の日本人男性コーチ)の観点からお話したいと思います。
部下に怒りを覚えた場面
部下に感じた怒りを思い出してみてください。怒りというのは強い感情ですから、いくつかのエピソードは鮮明に記憶されているのではないでしょうか。
- 指示通りに動いてくれなかったから
- ミスが多いから
- 上司の意見に異論を唱えたから
- 身だしなみがなっていなかったから
- クライアントとの言葉遣いが無礼だったから
様々な理由が考えられるでしょう。その時に感じた怒りに対して、何を思ったでしょうか。「あいつのせいで一日が台無しだ。」「私をこんなにイライラさせて・・・」「どうしてこんな目に合わなければいけないんだ」「損した気分になる」「なぜわからないんだ」「短気な自分が情けない」など、捉え方もまた様々でしょう。多くの場合、怒りや悲しみなど、ネガティブとされる感情を人は避けようとします。ではなぜ怒りが込み上げてきたのでしょうか。それはどんな価値観がベースとなっているでしょうか。
- 指示通りに動いてくれなかったから→部下は上司の指示に従うべき
- ミスが多いから→ミスを繰り返すということは仕事に真剣じゃない証拠
- 上司の意見に異論を唱えたから→上司の考えが正しい
- 身だしなみがなっていなかったから→社会人にふさわしくない。
- クライアントとの言葉遣いが無礼だったから→クライアントを不快な思いにしてしまう
上記は一例ですが、同じ怒りでもその理由は異なることがわかります。よく叱ると怒るは違うと言いますが、その怒りがその部下のことを思ってのことであれば、怒りはむしろ愛情の表れと言えるでしょう。であれば、怒りを感じたことに対し、ネガティブな気持ちを抱く必要もないのではないでしょうか。
もしその怒りが、相手を服従させたい、単純に言うことを聞かせたい、ということであれば、それはそれで怒りはあなたの価値観を映していると言えます。企業の中で仕事をする以上、指示系統をはっきりさせることは効率よく仕事を進める上で重要ですが、押さえつけたり、過度なプレッシャーを与える環境は一時的にはうまく働くように見えるものの、中長期的には雰囲気の悪化や離職につながる恐れがあります。
「怒り」というのは、iPECが提唱する、人間誰もが持つ7つのレベルのエナジーのうち、レベル2のエナジーの働きによるものです。どのエナジーも平等で大切で、それぞれ長所・短所を持ち合わせています。怒りはその対象へのご自身のスタンスを表す重要な感情です。「怒り=悪いもの」と捉えるのではなく、何かを教えてくれる体のサインと見方を変えるとき、その大きな価値に気付くことができるでしょう。
それを自覚できたら、本来実現したいこと(例: 部下の成長を後押しすること)のために怒り以外の感情や方法で向き合うきっかけとなります。iPEC流に言えば、レベル3以上のエナジーを持ち出すことを意味します。そうすると中長期的なメリットが大きく、働き甲斐や信頼が生まれる職場環境へと変革させていくことができます。ちなみに一流のリーダーや世界に名だたる経営者などはレベル5やレベル6のエナジーを持ち出しています。
まとめ
「怒り=悪いもの」と捉えるのではなく、怒りを感じる理由や、それがあなたに何を教えようとしているのかを自問自答してみると、怒りに対して違った見方ができ、その感情をより前向きに受け入れることができます。
その上で、目的を達成するために怒り以外の感情を持ち出すほうが中長期的なメリットが大きいのであれば、そういった選択をすることもできると言えるでしょう。そのヒントこそご自身の中にある7つのエナジーを理解することです。より詳しく知りたい方は、ぜひこちらを参照ください。
この記事へのコメントはありません。