【強制力は諸刃の剣】建設的なチームづくりに欠かせない「心理的安全性」
ICF認定兼iPECから日本人男性として唯一認定されているビジネス/英語コーチの水元です。
強制力は継続力を弱めるリスクあり
「大きな成果を上げたければ自分たちを追い込まなければいけない」こんなフレーズを聞いたことはないでしょうか。確かに他の人ができないような成果を出すにはそれ相応の努力が必要となるでしょう。
しかしあえてそこに警鐘を鳴らしてみたいと思うのです。どんな警鐘かというと、チームに強制力をはたらかせ過ぎるとき、継続力が弱まる危険があるという点です。私が日本人男性として唯一認定を受けているiPECのプリンシパルに基づくと、何かを強制するというのは、7つのレベルのエナジーのうち、レベル2のエナジーが現れていると言えます。
強制力が渦巻く職場
イメージしやすいようにある職場を例に考えてみましょう。営業部門のチームAは6人体制で、この数か月他の5つのチームよりも好成績を上げています。チームAの上司は社内の誰よりも厳しいことで知られます。小さなミスにも激怒し、営業成績が伸び悩む社員には何度も個別面談を設定し、原因を問いただす。愛があるゆえの厳しさとチームメンバーは理解しようとする一方、上司の機嫌や態度を窺う毎日です。実は元々は8人体制なのですが、そのうちの2人がメンタルの不調で休職しています。そのうちの一人は転職先が決まったらしいというような噂も出ています。
これがまさにレベル2のエナジーに支配された職場の例です。レベル2のエナジーが出ているとき、人は、他人への怒りを表したり、すべてを白と黒で区別し、自分が勝つためには相手を負かす必要があるといった考えをします。するとどういったことが起こるかというと、短期間の成果は上げやすくなります。成果を出さないと怒られるといった恐怖がはたらくためになんとか結果を出そうとするからです。一方デメリットもあります。それは中長期的に見ると、心身のバランスが崩れてしまう危険があるという点です。
こうしたレベル2のエナジーが渦巻く職場は珍しくないのではないでしょうか。きっとそういったチームの管理職の方はこのように思っているはずです。「厳しくしないと部下は育たない。」「ある程度の強制力が成果を上げるには必要だ。」「きちんと管理しないとチームメンバーはサボるに違いない。」など。実際にはそれが100%正しいとは言えません。おそらくそこには信頼が不足しているのではないでしょうか。
中長期的に建設的なチームを構築したければ「心理的安全性」を優先
レベル2のエナジーによる強制力をはたらかせる代わりに、より中長期的に建設的なチームを構築したければ、上司も部下も自分の考えを気兼ねなく共有できる環境づくりが大切だと考えます。Googleが示すように「心理的安全性」を確保するということです。ぜひ以下について自問自答してみてください。きっとあなたの中に建設的なチームづくりの答えはあります。
あなたの部下はあなたにどれくらい自分から話しかけてきますか?アイデアを共有してくれますか?
あなたが部下と同じような役職だったとき、職場の誰に話かけたくなりましたか?
その人はあなたにどんな態度で接してくれましたか?
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